「羊のうた」 冬目景
この人の絵って何か影があってちょっと惹かれるものがある。
影があるっていうのはほんとうに影がついているということでそもそも美大出ってことが影響しているのかもしれない。
陰影って普通立体的にするためにつけるもので普通のアニメとか漫画は影がないため平坦な感じになる。
この人の場合その影の印象がほんとうにちょっと裏がある感じに見える。
でもその絵の印象ほど病んではなくて等身大の人間である。
その等身大さには共感が持てる。
人間関係の不器用さとか物事に対するあきらめきれなさとか…。
例えば「Yesterday を歌って」は別にドラマチックな展開ではなくて
けっこうよくある話なんだけどそこで展開される感情は共感できるものだった。
話は「羊のうた」に移るんだがこの話はよくまとまっているんだが
最終話に向かっていってちょっと説明不足な感があった。
一砂が千砂に惹かれていくところなんかや、元看護婦があっさり諦めるところとか
なんだがちょっと納得いかないものが残った。
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