Rewrite KEY
- 出版社/メーカー: KEY
- 発売日: 2011/06/24
- メディア: DVD-ROM
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いやー待ちに待ったrewriteですけど僕は楽しませてもらいましたよ。
僕はkeyの作品は智代アフター以外は全部やっているんじゃないかと思います。Moon, One, Kanon, Air, Clannad, リトルバスターズ、クドわふたーで本作です。リトルバスターズエクシタシーはそういややってないな。あとサイトで調べたらplanetarianもやってない。でもまぁほとんどやってるわけです。keyが出す作品は僕にとってはRPGで言うところのドラクエやファイナルファンタジーで、よっぽどつまんなそうでなければ買います。
まぁこれだけ大作ですから、アンチも信者もいっぱいいますが。僕は信者に分類されるのでしょう。僕のエロゲ人生はKanonで始まってますし、大変思い入れの深いブランドです。
本作の特徴は田中ロミオと竜騎士07というノベルゲーム界の龍虎を配したという思い切った戦略でしょう。もちろん僕は田中ロミオや竜騎士07も好物ですから、大変楽しみにしていました。
さてそんな作品ですが、最初に述べた通り僕は面白かったです。今までに比べて感動要素が弱いと噂の本作、確かに今までの路線の泣きゲーって雰囲気じゃないですね。でも30超えたおっさんがエロゲで泣くっていうのもねぇ。高校生ぐらいの純な気持ちなら泣けても今は小賢しい知恵がついているせいで素直に泣けないんですよね。クラナドはおっさんでも泣ける方向性の作品でしたが、そもそも純粋な感動系のシナリオで成功するのは、メインターゲットが30を超えてる*1作品では難しいんじゃないかなぁ。今回の中二病的設定は若干心配ではありましたが、こうしたニーズの中、SF的につなげることでうまく着地してきたと思っています。
以下は完全にネタバレでいきますのでご注意。
各ルートのシナリオ執筆担当者は以下のようだと予想します。まぁ分かりませんけどね。
神戸小鳥 | 田中ロミオ |
千里朱音 | 田中ロミオ |
鳳ちはや | 都乃河勇人 |
中津静流 | 都乃河勇人 |
此花ルチア | 竜騎士07 |
自信があるのは小鳥ルートとちはやルートとルチアルートです。小鳥ルートの記憶を使ったトリックは田中ロミオ的、ルチアルートの怪談話と現実の往復は竜騎士07のものでしょう。都乃河勇人の作風はあんまりこれだと言えるものではないですが、それだけにあんまり色の濃くない話は都乃河勇人のシナリオかなぁと思いました。静流の”現世で幸せになれなくて来世で一緒になる的”展開は割とkeyお得意の自己犠牲で片方が救われるパターンと言えなくもないですし。朱音ルートはすごく良い話なんで、実力的に田中ロミオかなぁという感じです。
さて、上の感想でSFに着地と述べましたが、今回の話は地球の生物育成シミュレーションみたいな話でした。Moonでの科学っぽい話は大変面白く、好感を持ちます。
また月から地球を見守る女の子というのはAirで言うところの翼人的な存在で、こうして見守って影で努力している可哀想な女の子を救うというのはkeyのイメージに大変合っていて好ましいでしょう。もう少し感傷的なことを言えばAirでもそんな女の子は助けられないんですよね。でも今回はそんな女の子が望んでいるのはそんなことじゃないという解答がはっきりでています。篝にとって良い記憶とは、地球をいたわることではなく、これからも繁栄させていこうという意思を見せることだっていうのは感動的です。陳腐な言い方ですが、親の視点から見れば子供に望むのは育てるのにかけた恩を返してくれることではなく、幸せになって希望を持って生きてくれることなのです。このロジックにすごくすっきりした爽やかな気分になれました。涙することはありませんが、涙で語られる可哀想という感動とは別種の感動があります。
いつものごとく音楽も良いですし、大変満足の一作でした。
麻枝准なき中助っ人で乗り切った今回の作品を見ると今後の展開が心配ではありますが、次回作も楽しみにしています。ファンディスクももしでるのであれば買おうではありませんか!
*1:たぶん。本当かどうかは知らないが