ボトルネック 米澤穂信

ボトルネック (新潮文庫)

ボトルネック (新潮文庫)


米澤穂信の作品はミステリとも読めるしジュブナイルとも読めます。作品によってどちらの要素が強いというのはありますが、二つの要素がうまく一体となっていますね。

さて、このボトルネックジュブナイルとしての面が強い小説で、ところどころミステリ要素で読者を牽引しながら最後まで読ませてしまう力強い作品でした。

死んだ友人の墓参りに来ていたら、自分が生まれず代わりに姉が生まれている異世界にたどりついてしまうというちょっとファンタジックな設定なんですが、自分が生まれなかった世界をみると自分が世界にどういう関わりを持っていたのがが対照的に見えてしまうんですね。そこにうちのめされる様は心に響きます。

良い本でしたね。