死神のキョウ 2 魁 桐野霞

死神のキョウ (2) (一迅社文庫 か 1-2)

死神のキョウ (2) (一迅社文庫 か 1-2)

ギャルゲーと小説の書き方の違いが目に付いてしまった作品でした。

著者はギャルゲー畑の人間で、この小説もどうもギャルゲーっぽさが目につきます。

ギャルゲーっぽさって何かという話になりますが、僕は空気の転換の気軽さにあると思いますね。ギャルゲーって、シリアスなシーンに流れている音楽とギャグのシーンに流れている音楽が別なので、空気がつかみやすいんです。小説では音楽がないため、そんなに簡単に空気の転換ができないんだと思います。そうするとギャグのシーンとシリアスのシーンが続いてしまった場合、シリアスのシーンにどうもギャグの雰囲気をひきづってしまったりと、良くない結果になります。

あと、キョウがすんごくわかりやすいツンデレなんですが、それはギャルゲーならありなんです。その後シリアスなシーンで彼女の内面が描かれて、わかりやすいツンデレとのギャップを見せてくれるので。それがこの小説では彼女の内面を描くシリアスなシーンがなくて…というか上で書いたように書き損なっていて、彼女の魅力を表現しきれていませんね。

まぁ雰囲気の良い作品ですし、こうやってギャルゲーと小説の違いに気づかせてくれるなど面白い作品ではあるのでもうすこし続けて読んでみようかと思います。