Liarソフトのスチームパンクシリーズ

[[]]Liarソフトのスチームパンクシリーズは桜井光が企画、シナリオを務めるゲームのシリーズです。桜井光は最近マギカロギアのリプレイにも出ていたのでTRPG者にもよく知られた方なのではないでしょうか。

シナリオの特徴は童話的、幻想的なことでちょっと他にはない存在感があります。
18禁ゲームですので遊べる人は限られるかもしれませんが、まぁこのシリーズではそういうシーンは非常に薄くできていまして、ハリウッドの映画にあるベッドシーンのようなものです。そうしたシーンを目当てに買う人はいないんじゃないでしょうか。女性でも楽しめるエロゲとして有名なシリーズです。

これまで、蒼天のセレナリア赫炎のインガノック漆黒のシャルノス白光のヴァルーシア紫影のソナーニルがでています。色+地名がシリーズのタイトルでサブタイトルにはwhat a beautiful xxxみたいな感じになっています。

コツコツと遊んできて最近ソナーニルまで遊び終えたのでまとめてレビューを。この作品群は音楽が特に良いと思うのでyoutubeに上がっている動画をリンクしておきます。

蒼天のセレナリア

第一弾ですが、他の作品と最も雰囲気の違いがあるかもしれません。まず、原画、キャラクターデザインが護国卿で、他の作品と違います。また、ストーリーも他の作品に比べてわかりやすく、エロシーンも普通にあるので、シリーズの中では一番普通のエロゲの感覚で遊べる作品です。

普通の感覚で遊べるといっても、内容が凡庸であることを意味しません。この作品の著しい特徴となっているのは世界観の良さだと思います。夢のある、さわやかな世界観に誰しも憧れるのではないでしょうか。

シリーズの他の作品と雰囲気は違いますが、この作品から続く作品が生まれていったわけですし、他の作品が一つの街を舞台にしているのに対し、これは旅の話なので世界観全体が分かるという意味でもシリーズの中核となる作品です。



赫炎のインガノック

閉ざされた街、インガノックでの戦いを描いたものです。キャラクターデザインは大石竜子で特徴のある絵柄です。

この作品はとにかく主人公のギー先生がかっこ良いですね。戦闘が起こるたびに気持ちが盛り上がります。ギー先生とかテンプレ戦闘とかでWEBを検索するといろいろひっかかると思います。


僕の文学的な素養のなさのせいかもしれませんが、ストーリーがいまいちわかりにくい感もありますけど、振り返って見れば良い話でしたね。

このシリーズはクトゥルフから名称を持ってきていることがよく指摘されていますが、実はシャドウランからも持ってきていますね。


漆黒のシャルノス

この世界において西亨と呼ばれるロンドンのお話です。キャラクターデザインはAKIRAで、主人公のメアリ・クラリッサ・クリスティが非常に可愛いです。

ストーリーの間に挟まれるゲームは怪物、メタクリッターからひたすら逃げるものなのですが、それもなかなか面白いとおもいます。ボーナスまで取れるようにクリアするのには若干難易度が高い気もします。


白光のヴァルーシア

なんといきなりアラビアンナイトのような砂漠のお話でインパクトがあります。キャラクターデザインはインガノックと同じ大石竜子です。

ボーイミーツガールのストーリーが根幹にあるのですが、群像劇のように各章で語り手が入れ替わるのが個人的には少々不満でした。もっと少年少女の視点からお話を描いて欲しかったです。ただし、物語の最後の最後のレオの質問に答えるためには、やはりたくさんの人の物語が必要だったと思いますので、物語の構成上仕方がない部分なのは納得しています。

本作には世界設定のTIPS集がつくのですが、セレナリア、西亨などの位置関係が分かり世界の全体像がつかめますので、そこも良いですね。


紫影のソナーニル

こちらはニューヨークのお話。シャルノスの続いてキャラクターデザインはAKIRAです。主人公は二人でエリィとリリィ。エリィのほうは廃墟探索的な物悲しい切なさが良いですし、リリィとの話ではAとの間にある幼い恋愛感情を可愛らしく感じました。