セッションスタイルとハンドアウト
最近mixiのTRPGコミュニティでハンドアウト*1について議論が起きてます。僕はそちらでは傍観者ですが、それらの議論に対しては、同じことを何度も何度も話し合わないように”過去ログ”を参照し、同じことを何度も話しあうのはやめ、やるなら新しい観点から議論しましょうという立場です。
過去ログといえば、鏡さんのところで2005年に行われた議論とかなり似通ったことが話されていますので、関係者は確認してみてください。
それはそれとして、このハンドアウト談義の一つのまとめ記事として、プレイスタイルとハンドアウトの関係を述べたいとおもいます。説明の根幹は紙魚砂さんのところから持ってきますが、紙魚砂さんはこの2005年の議論の参加者ですので、その議論を経てこのようにまとめたのでしょう。
3つのマスタリングスタイル どんなスタイルのときハンドアウトを使えばいいのか
- 4種類のセッションタイプ : 紙魚砂日記
- http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Other/playstyle.htm(スタイルといろんなセッション運営技術の相性の表です)
もともとの紙魚砂さんの議論では4つのマスタリングスタイルを提示しているのですが、その中でミステリスタイルについては、僕はあんまり一般的ではないかなぁと思いますし、うまく説明する自信がないので省略します。この紙魚砂さんがまとめているマスタリングスタイルの表は全部が全部納得できるわけではないのですが、なかなか多くの示唆を含んでいるので見てみるといいかもしれません。
さて、ここでハウダニット メタ・ハウダニット ホヮイダニットの3つのセッションスタイルを紹介し、どのセッションスタイルとシナリオハンドアウトが相性がいいのか示します。
ハウダニット・スタイル
D&D*2などで一般的な遊び方です。
マスターが課題をだし、その課題を”どのように(HOW)”攻略するのかを楽しむゲームです。
この場合、特にシナリオハンドアウトを使う必要はありません。
このスタイルではPLとPCの区別を強くする必要もありませんし、PCと一緒に頭をひねりながら問題を解くのが楽しいでしょう。
メタ・ハウダニット・スタイル
紙魚砂さんはトーキョーN◎VAを挙げていますね。クトゥルフなんかもそうでしょうか。
マスターの課題に対して、PLはどうやって答えればいいのかが分かっているのに、PCにはどうやって解くのが分からない状況を取り扱い、PLはどうやったらPCがその回答に気づくのかシチュエーションを答えるという形式です。
これはPLが知っている情報とPCが知っている情報の差を生かした遊び方なので、シナリオハンドアウトに限らず、いろんなハンドアウトが有効です。ハンドアウトに限る必要もないですが、とにかくPLに与える情報とPCに与える情報を区別しないとこの遊び方は成り立ちません。情報の与え方に注意しましょう。またプレイヤー側でもPL視点とPC視点を区別しないと課題がものすごく簡単に思えるかもしれませんね。PLにはすぐ回答が分かるように情報を提供されるはずですので。
FEAR制のシナリオハンドアウトの話をするのなら、個別導入をした場合などはこの遊び方が生きてきます。
PLは最終的に合流して協力してラスボスと戦わないと勝てない可能性が高いということを知っていて、PCはそれをしらない状況から始まるわけです。なのでPLは何かといろいろ理由をつけて共闘するシチュエーションを構成します。
ホヮイダニット・スタイル
深淵や天羅万象・零、ダブルクロスなどの一般的な遊び方でしょうか。
PLがPCの動機を作成することを楽しむ遊び方です。ハンドアウトでNPCとの関係性を与えておいて、そこから動機(WHY)を作ってもらいます。例えばありがちな”妹を悪者から守れ”的なハンドアウトであろうと、弱虫な兄が妹を守るために強くなるのもいいですし、暴力的な兄が力の使い道を知るのもいいですし、いろいろプレイヤーは思い悩むことができます。
当然ハンドアウトが有効なスタイルでしょう。
まとめ
紙魚砂さんの分類を基にセッションスタイルとハンドアウトの相性を述べました。
GMがPLにどういう課題を出すのかに応じてハンドアウトを使ったほうが良い場合と使わないほうが良い場合が理解できたのではないかと思います。
違いを理解して、楽しいセッション運営を心がけましょう。
追記 ハンドアウト談義を理解するコツ
ハンドアウトはおもしろくないという方の意見はこのハウダニットのおもしろさをハンドアウトが損ねるというタイプのものが多い。
ハンドアウト推奨派はメタハウダニットやホワイダニットを重要視して、それがおもしろく、便利に遊べる方法としてハンドアウトを捉えている。
このように思って読むと両者の食い違いを理解しやすい。そうでない意見に出会ったときには良く考える必要がある。