Fate/zero Vol,3 -散りゆく者たち- 虚淵玄


著者 虚淵玄ニトロプラス) 

発行者竹内友崇 

発行所TYPE−MOON 

イラスト武内崇 作画・彩色 こやまひろかず・蒼月誉男・MORIYA・simo

http://www.fate-zero.com/vol3.html:公式サイト。画像はここから転載。アマゾンで取り扱ってないのでこういう紹介法をしてしまいます。すみません。

さて前回と前々回の感想は以下。
Fate/zero フェイト/ゼロ 1 虚淵玄 - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込む
Fate/zero フェイト/ゼロ 2 虚淵玄 - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込む

あとがきと帯を田中ロミオが書いていることにまず驚きました。
氷川さんも言っているけど、ゲームっぽいステータス表示には確かにちょっと違和感ありですね。まぁこれはもともとFate/stay nigntの時も感じていたけど。

もう、3巻ですし紹介を書く必要はないでしょう。いきなりネタバレ感想へ。
僕は前回からすごくイスカンダルに感化されてしまっています。人の上に立つ王の生き方、その器の大きさに圧巻されます。そんな王への忠誠の話になるとなぜか涙ぐんでしまうものがあります。

また、エクスかリバーの強さを民衆の期待の大きさで説明したのはナイスですね。エクスかリバーがただの強い武器じゃなく、セイバーの強さの悲しさみたいなものが伝わってくる設定です。本書を読むとFate/stay nigntで展開される正義論がより深く感じられます。

桜のあの虫ですが、Fate/stay nigntをプレイ済みな僕らは桜のために世界を敵にまわす覚悟をした人たちです。間桐雁夜に共感できますし、あの蟲には無力感を感じますね。バーサーカーの正体はやっぱりアーサー王の伝説に縁ある人物なのかな。こういうとき古典の教養がないことが悔やまれます。

Fate/stay nigntにつながる話である以上、どうしょうもない悲劇が待っているのは分かっているはずなのに、どうしてもこの話の結末が気になってしまいます。中毒的な魅力がありますね。